= Trac マクロ = #TracMacros [[PageOutline]] Trac マクロとは、 Python で書かれた 'カスタム関数' によって Trac の Wiki エンジンを拡張するプラグインです。 WikiFormatting エンジンが利用可能なあらゆるコンテキストにおいて、マクロを使用することによって、動的な HTML データが挿入されます。 もう 1 種類のマクロは WikiProcessors です。これは通常、 Wiki 以外のマークアップ形式と表示を取り扱うために使用し、多くは、 (ソースコードハイライトのような) より大きいブロックに使用します。 == マクロの利用 == #UsingMacros マクロ呼び出しは、二つの ''角括弧 (square brackets) '' で括られた箇所です。 Python 関数のように、マクロは引数を取ることができ、括弧 (parenthesis) の中に、カンマで区切ったリストで表記します。 === 詳細なヘルプを見るには === #GettingDetailedHelp マクロの一覧と完全なヘルプは、 下記の[#AvailableMacros マクロ一覧] にある !MacroList マクロを使用してみることができます。 簡単なマクロ一覧は `[[MacroList(*)]]` や `[[?]]` で見ることができます。 特定のマクロの詳細なヘルプを参照したい場合は、 !MacroList マクロに引数渡すことによって参照することができます。 例) `[[MacroList(MacroList)]]` 。もしくは、便宜上、 `[[MacroList?]]` のようにマクロ名にクエスチョンマーク ('?') をつけることでヘルプをみることができます。 === 利用例 === #Example 'Trac' で始まる Wiki ページの最近の変更履歴 3 件分を表示するマクロです: ||= Wiki マークアップ =||= 表示 =|| {{{#!td {{{ [[RecentChanges(Trac,3)]] }}} }}} {{{#!td style="padding-left: 2em;" [[RecentChanges(Trac,3)]] }}} |----------------------------------- {{{#!td {{{ [[RecentChanges?(Trac,3)]] }}} }}} {{{#!td style="padding-left: 2em;" [[RecentChanges?(Trac,3)]] }}} |----------------------------------- {{{#!td {{{ [[?]] }}} }}} {{{#!td style="padding-left: 2em" {{{#!html

[[Image]]

画像を Wiki 形式のテキストに組み込みます。 1 番目の引数は、ファイル名を指定します。ファイルの指定は添付ファイルなど …

[[InterTrac]]

既知の InterTrac プレフィックスをリスト形式で表示します。

[[InterWiki]]

既知の InterWiki プレフィックスに関する概要のリストを表示します。

[[KnownMimeTypes]]

WikiProcessors で処理できる既知の mime-type を表示します。 引数が与えられた場合は、 mime-type ...
}}} etc. }}} == マクロ一覧 == #AvailableMacros ''Note: 以下に示すリストはマクロドキュメントを含むものだけです。 `-OO` による最適化や、 [wiki:TracModPython mod_python] での `PythonOptimize` オプションが設定されていると表示されません。'' [[MacroList]] == 世界のマクロを共有 == #Macrosfromaroundtheworld [http://trac-hacks.org/ Trac Hacks] というサイトは、コミュニティに寄稿されたマクロと [TracPlugins プラグイン] を収集し提供しています。新しいマクロを探している、共有したいマクロを作成した、などの場合は遠慮なく Trac Hacks のサイトを訪問してください。 == カスタムマクロを開発する == #DevelopingCustomMacros マクロは、 Trac 本体と同様 [http://python.org/ Python] で書かれています。そして TracPlugins の一種として開発します。 マクロの開発についての詳しい情報は [trac:TracDev リソースの開発] を参照してください。 Trac 0.11 でマクロを作成する簡単な例を 2 つ紹介します。 古いマクロと新しいマクロの違いを示す例は [http://trac.edgewall.org/browser/tags/trac-0.11/sample-plugins/Timestamp.py Timestamp.py] を参照してください。また、古いマクロから新しいマクロに移行するための情報は [http://trac.edgewall.org/browser/tags/trac-0.11/wiki-macros/README macros/README] を参照してください。 === 引数なしのマクロ === #Macrowithoutarguments 下記のソースコードをテストするためには、このソースコードを `timestamp_sample.py` として保存し、 TracEnvironment の `plugins/` に配置しなければなりません。 {{{ #!python from datetime import datetime # Note: since Trac 0.11, datetime objects are used internally from genshi.builder import tag from trac.util.datefmt import format_datetime, utc from trac.wiki.macros import WikiMacroBase class TimeStampMacro(WikiMacroBase): """Inserts the current time (in seconds) into the wiki page.""" revision = "$Rev$" url = "$URL$" def expand_macro(self, formatter, name, text): t = datetime.now(utc) return tag.b(format_datetime(t, '%c')) }}} === 引数付きのマクロ === #Macrowitharguments 下記のソースコードをテストするためには、このソースコードを `helloworld_sample.py` として保存し、 TracEnvironment の `plugins/` に配置しなければなりません。 {{{ #!python from genshi.core import Markup from trac.wiki.macros import WikiMacroBase class HelloWorldMacro(WikiMacroBase): """Simple HelloWorld macro. Note that the name of the class is meaningful: - it must end with "Macro" - what comes before "Macro" ends up being the macro name The documentation of the class (i.e. what you're reading) will become the documentation of the macro, as shown by the !MacroList macro (usually used in the WikiMacros page). """ revision = "$Rev$" url = "$URL$" def expand_macro(self, formatter, name, text, args): """Return some output that will be displayed in the Wiki content. `name` is the actual name of the macro (no surprise, here it'll be `'HelloWorld'`), `text` is the text enclosed in parenthesis at the call of the macro. Note that if there are ''no'' parenthesis (like in, e.g. [[HelloWorld]]), then `text` is `None`. `args` are the arguments passed when HelloWorld is called using a `#!HelloWorld` code block. """ return 'Hello World, text = %s, args = %s' % \ (Markup.escape(text), Markup.escape(repr(args))) }}} Note: `expand_macro` は 第4パラメータに、 ''`args`'' を任意に取ることもできます。 このマクロが [WikiProcessors WikiProcessor] として呼ばれたとき、 `key=value` 形式の [WikiProcessors#UsingProcessors プロセッサパラメータ] を渡すことも可能です。もし、このパラメータを指定したとき、これらの値は、ディクショナリの中に保存され、 追加の `args` パラメータによって渡されます。一方で、マクロとして呼び出されたときは、 `args` パラメータは、 `None` として扱われます (''0.12 以降'') 。 例として、このように記述した場合: {{{ {{{#!HelloWorld style="polite" -silent verbose }}} {{{#!HelloWorld }}} [[HelloWorld()]] }}} 結果はこのようになります: {{{ Hello World, text = , args = {'style': u'polite', 'silent': False, 'verbose': True} Hello World, text = , args = {} Hello World, text = , args = None }}} Note: `expand_macro` が返す値は、 HTML がエスケープされて '''いない''' ことに注意して下さい。期待する戻り値によっては、あなた自身でエスケープする必要があります (`return Markup.escape(result)` を使用できます)。また、戻り値として HTML が返ってくると分かっているならば、結果を (`return Markup(result)`) という風に Genshi が提供している Markup (`from genshi.core import Markup`) オブジェクトでラップすることもできます。 また、`text` を Wiki としてマークアップする場合、 Wiki Formatter (`from trac.wiki import Formatter`) オブジェクトも再帰的に使用することができます。以下がサンプルです: {{{ #!python from genshi.core import Markup from trac.wiki.macros import WikiMacroBase from trac.wiki import Formatter import StringIO class HelloWorldMacro(WikiMacroBase): def expand_macro(self, formatter, name, text, args): text = "whatever '''wiki''' markup you want, even containing other macros" # Convert Wiki markup to HTML, new style out = StringIO.StringIO() Formatter(self.env, formatter.context).format(text, out) return Markup(out.getvalue()) }}}